那須 茶臼岳・・・那須岳も大荒れ。烈風、地吹雪、猛吹雪で峰の茶屋までも行けず。 [山歩き]

2015年2月1(日) 強風、吹雪
那須 茶臼岳(1915m):栃木県那須郡那須町

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中の茶屋跡上から峰の茶屋跡避難小屋方向(猛烈な地吹雪が僅かな時間静まった時に撮影)

1/18(日)の扇山・百蔵山登山の後、のどの痛みと咳がよく出る風邪をひき、1週間くらい安静にしていましたが、ほぼ治ったので、雪山トレーニングを兼ねて那須の茶臼岳に行ってみることにしました。
西高東低の気圧配置で北海道の東に居座る低気圧により、1/30(金)~2/1(日)は北海道・東北地方は大荒れ、暴風雪の天気予報でした。2/1(日)の那須岳の山岳天気予報も雪と強風でしたが、トレーニングの意味で、山頂まで行けなくとも途中まででもとのつもりで出かけました。

こんな天気の那須岳の現実は厳しく、登山口駐車場までに行くのに雪でひと苦労。山は樹林帯を抜けると烈風、猛烈な地吹雪、時々猛吹雪で体が飛ばされそうで、時間がかかった割に前に進めず、峰の茶屋跡避難小屋までも行けないで、退却となりました。

荒天の中では、やはり那須岳(茶臼岳)登頂はなかなか困難ですね。
(強行すると風で吹き飛ばされて事故になる可能性大!)


大丸温泉駐車場(10:10)→峠の茶屋駐車場(11:10)→中の茶屋跡(12:00)→折り返し点(12:10)→中の茶屋跡(12:15)→峠の茶屋駐車場 (12:48)→大丸温泉駐車場(13:10)


那須湯元の温泉街の少し下から道路には雪があり、スタッドレスタイヤで登って行きましたが、鹿の湯の上の、料金所があった所から少し上のやや急坂の直線部で、前に車が3,4台スリップして止まっており、私も止まると、スリップして登れなくなってしまいました。
道路はアイスバーンで、FFのコンパクトカーではスタッドレスタイヤでも、一度止まると登れません。
4WDやRVでないワンボックスカーやファミリーカーでは登れない車が結構あり、同乗者が後ろを押したり、引き返したり、タイヤチェーンを付けたりしていました。

私も少しバックしながら路肩によって、タイヤチェーンを付けました。路肩の雪が多く、右側を追い越しで登って行く車、下って来る車に注意しながら苦労してタイヤチェーンを装着して、ゆっくりと登って行きました。
この状況を切り抜けるのに、50分くらいかかってしまいました。

上に行くにしたがってだんだん風は強くなり、地吹雪で前が見えなくなるのでゆっくりと登って行きます。

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八幡温泉方向分岐手前

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地吹雪の道路

やっと大丸温泉駐車場に着くと、地吹雪の中。

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地吹雪の大丸温泉駐車場

登山準備をして、トイレの前の箱に登山計画書を入れ、やっと10時過ぎに登山開始です。地吹雪の中でアイゼンを付けるのは大変なので、最初からアイゼン(12本爪)を付けて行きました。

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大丸温泉登山口をスタート

トレースはありますが、雪が柔らかくアイゼンを付けていると歩きにくいのですがそのまま進みます。トレースの横は40-50cmの積雪。トレースを外れると膝下から膝上くらいまで埋まります。

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風が弱い所の登山道

ゆっくり登り、時々トレースを外して踏み抜きながら進み、峠の茶屋駐車場に到着。駐車場奥の登山口の石段はすっかり雪で埋まって、緩やかな雪の斜面になっています。

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峠の茶屋駐車場登山口(赤丸部に登山口の標識)

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初夏の同上登山口(同上)(2013年6月13日撮影)

山之神神社の鳥居の横を通って、神社の大きな岩部の左を直登する深いトレースを登り、稜線を登って行きます。

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山之神神社の鳥居

稜線を登り、右にトラバースして樹林帯を抜ける所で、4人のスノーシューのグループが下りてきました。「中の茶屋跡手前で、風が強くトレースが分からなくなったので引き返しています。」とのこと。
ここまで会った他の3,4人の下山者に聞いたところ、「中の茶屋跡上の鎖のところで風で飛ばされそうになったので止めました。」、「中の茶屋跡まで。」、「若い二人組は、強風の中、峰の茶屋に向かいました。」と、ほとんどの人が強風のため途中で諦めて下山しているようでした。

トラバースして中の茶屋跡の手前の広い緩斜面に出ると、先は地吹雪でトレースが見えなくなっていますが、中の茶屋跡の方向を目指して登ります。
正面から強い風を受け、飛んでくる雪で顔が痛くなります。中の茶屋跡に着いて、もう少し先まで行ってみようと前に進むと、さらに真正面から風を受けるようになり、強風で飛ばされそうになることが2,3回。
猛烈な地吹雪と時々襲来する猛吹雪が弱くなることがありますが、とても前に進めないので、ここで退却を決めました。

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中の茶屋跡下の樹林帯を抜ける所

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中の茶屋跡の石塔が見えてきた

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中の茶屋跡から茶臼岳方向

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同上より朝日岳

地吹雪が弱くなるとぼんやりと峰の茶屋跡避難小屋が見てきました。 → 一枚目の写真
(ここから退却。)

峰の茶屋跡までも行けなかったので、残念な気持ちでトボトボと下り、中の茶屋跡下から右にトラバースする所で、ぼんやりしていて、まっすぐ下っている明瞭なトレースの方に下り、やや急な斜面を150mくらい下った所で、だんだん雪が深くなって、急斜面の手前でトレースもなくなっていました。

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中の茶屋跡下

周囲の地形を見ると下に明礬沢が見えており、一つ北側の尾根を下っていたようで、間違ったトレースを辿ったことに気付きました。

少し登り返すと、あとから下ってくる単独の方が来たので、間違ったトレースを下りてしまったので、登り返していますと伝えて、トラバースルート付近に戻りました。
トラバースルートのトレースが風でほとんど消えており、ルートが分からなくなって下って行った人がいたのでしょう。
こんな所でも雪山は油断禁物ですね。

そのあと、ルートに戻り、ゆっくりと下って、大丸温泉駐車場に戻り、本日の雪山トレーニングは終了。

大丸温泉駐車場からタイヤチェーンを付けたままゆっくり下り、鹿の湯に行きました。

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鹿の湯

鹿の湯は混雑しており、なかなか思うように入りたい温度の湯船に入れない状態でしたが、何とか、41・42・43℃の湯船に浸かって、いつものようにゆったり、とはできませんでしたが温まって帰路に着きました。

(なお、鹿の湯は、2/2(月)~2/25(木)まで設備改修工事のため休業との掲示案内がありました。)

雪山トレーニングとはいえ、降雪の後の道路状況が悪い、山も荒天予報となる日にはあまり出かけない方がいいですね。


2月1日(日)の天気図(日本気象協会 過去の天気図より)
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昨年2月1日(土)快晴の那須岳登山の記事
http://vert-yama.blog.so-net.ne.jp/2014-02-03


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コメント 13

mimimomo

おはようございます^^
お疲れ様でした^^
ここは、三回チャレンジしていまだ未踏です。いつも風や雨に阻まれて行けません(__;
by mimimomo (2015-02-05 06:30) 

よしころん

見ているだけで辛いです~~(><)
車が坂道を登れなくなった時点でわたしたちは敗退です ^^;
お疲れ様でした。
鹿の湯が体を芯から温めてくれたことでしょう♨
西高東低の気圧配置だと関東地方は晴れるのですが、それでも風が強いことが多いので行先に苦心しています~~
by よしころん (2015-02-05 07:54) 

nousagi

1日は大変な日でしたね。
赤城へ行った人の話でも
ものすごい吹雪で引き返したとのことでした。

それほど悪天でないときでもものすごい風で動けず
ストックを使い、前傾姿勢で、
じっと待避していたことがありますが、
那須の風の強さは半端ではないですよね。

こんな日は温泉に限ります。(^^)
by nousagi (2015-02-05 10:39) 

tochimochi

ここの風はまさに猛烈ですからね。
峰の茶屋手前でも吹き飛ばされそうになる感覚、分かります。
むしろあそこまでよく行けたと感心します。
顔が凍傷にはならなかったでしょうか。
鹿の湯でのんびり温まれてよかったですね。

by tochimochi (2015-02-05 12:32) 

Jetstream

冬じゃなくても、烈風の吹く茶臼岳、 今の時期 なおさら厳しいこと察します。 吹雪いてトレースが消えると怖いですね。 ともかく無事の帰還よかったです。 温泉の湯に浸かられてさぞほっとされたでしょう。
by Jetstream (2015-02-05 20:02) 

ヴェール

mimomomoさん
冬の那須岳は強風の中を登頂したこともありますが、強風で途中敗退は今回で2回目です。
昨年の2月1日のような、快晴無風の日に登りたいですね。やはり天気図と山岳天気予報を良く見て行きたいものです。天気の良い日を選んでもう一回チャレンジしてみて下さい。

よしころんさん
少しでも雪道を歩いておこうとの気持ちで行きましたが、悪天候で厳しいトレーニングになりました。鹿の湯に入りたいため、那須方向に足が向くということもありますね。
今日明日の雪で山は一層雪が深くなりそうです。週間天気を見ても、一週間くらいは絶好の天気はなさそうですね。

nousagiさん
私も、ストックで耐風姿勢を取りながら、なんとか頂上まで登ったことが2回あります。
冬の那須岳は今回が8回目ですが、その中で2番目くらいに強い風でした。
当日は赤城山でも引き返すほどの吹雪でしたか。東北自動車道からは、日光連山(白根山を除く)、高原山が綺麗に見えていましたが、高原山の山頂付近に地吹雪の雲がたなびいていました。

tochimochiさん
那須岳の風は本当にすごいですね。峰の茶屋跡避難小屋付近で、鉄柱につかまっていたら、強風で足が浮いて鯉のぼりのようになったという話を、山岳部だった会社の先輩から昔に聞いたことがあります。
中の茶屋跡付近では、顔が凍傷になりそうだったので、ネックウォーマーを目の下まで上げて、ニット帽を深く被っていました。

Jetstreamさん
正規のトレースが見えず、誤ったトレースを辿ると、不慣れな山だったら遭難になりますね。
今回はストックでトレースらしい所を突いて、下が固いところがトレースだとしながら行きましたところ、だいたい正解でした。
鹿の湯を出たあと、駐車場でタイヤチェーンを外したので、少しポカポカ感が冷めてしまいました。でもやはりいい温泉ですね。

by ヴェール (2015-02-05 21:49) 

ひろたん

雪も多くて荒れていましたね。
特に風はやっかいですよね。
耐風姿勢をとっても飛ばされてしまいそうです。
トレースはすぐに消えてしまいますか。
赤いテープが頼りですか。
顔が痛いですよね。
最後は温泉ですね^^
by ひろたん (2015-02-07 13:52) 

OJJ

膝まで踏み抜くとがっくり・・壮烈な雪山行ですね・・唖然)
by OJJ (2015-02-07 21:36) 

joyclimb

荒天の冬山登山、とても厳しいですね。
積雪があると登山口まで到着するのも、大変ですね。
下山後の温泉、これは心地よい時間ですね^^
by joyclimb (2015-02-07 23:52) 

ヴェール

ひろたんさん
樹林帯を抜けると、正面から風を受け、前傾して歩いても煽られて飛ばされそうでした。
風でトレースが消えていた箇所は赤テープも少なく、不慣れだとルートが分かりにくい箇所かと思いました。
雪山のあと源泉かけ流しの熱めの温泉は最高です。

OJJさん
今回踏み抜きはあまり多くなく、踏み抜いても膝や膝上くらいでしたのでまだ良かったのですが、ともかく風が強く2,3歩後退することや、斜め後ろによろけることが結構ありました。
那須岳では経験がありませんが、踏み抜きも股や腰までだと身動きが取れなくなってほんとうにバテてしまいますね。

joyclimbさん
この時期の荒天のときは、車が冬山対応でないと、登山口まで行くのもたいへんで、山も大荒れとなるので、危険も多くなり、無理して出かけないほうがいいですね。
雪山登山のあとに、鹿の湯の熱めの温泉に入ると、「極楽、極楽。」の言葉が出てきそうです。

by ヴェール (2015-02-08 23:54) 

mimimomo

こんにちは^^
この雪、じっくり見ると相当積っていますね~
こう言う時でも風がなければ登れるのですよね。
行ってみたいわ。
by mimimomo (2015-02-09 11:47) 

ヴェール

mimimomoさん
那須茶臼岳はこの時期でも登山者が多いので、降雪直後を除けばたいていトレースがあります。週末は、朝9時過ぎくらいのスタートなら数人の先行者があると思います。
雪が深いのは、山之神神社直下とその上で、次に雪が多いのは、峰の茶屋跡避難小屋下の雪渓のトラバース部と山頂のお釜の縁に登って行く所のやや急斜面で、中の茶屋跡から上は風で雪が飛ばされて、雪はあまり付いていません。(雪が少ない所は、アイゼンを石に引っ掛けないように注意が必要です。)
従って、風が弱ければ特に危険な所はないように思います。
風の弱そうな天気の良い日を狙って行ってみて下さい。
by ヴェール (2015-02-09 21:01) 

Tadalafilo

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by Tadalafilo (2018-04-14 16:17) 

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